残酷な運命
「……くそっ!!」
部屋に戻った和也は壁を殴った
その壁は何回も殴られてへこんでいた
「なんでだ……なんで死ななきゃならないんだよ!!呪詛師でもまだ改心してやり直す余地があるだろうが!!」
『落ち着け、和也』
その時、和也に誰かが話しかけてきた
「兄さん……人が死んだんだぞ!!落ち着いていられるか!!」
話しかけていたのは運命を見る術式を持っていたが、通り魔に殺され今は和也の裏人格として存在している和也の兄の築森 豹牙(ひょうが)だ
『あいつはあの時殺されなくてもすぐに死ぬ運命だった。それが少し早まっただけだ』
「でも!!」
『身近な運命を変えられなくてもいい。だが、あの運命だけは変えろ。そのために呪具を増やしておけ。いざとなったら俺に代われ』
「……少し、頭を冷やさせて」
『分かった』
「他の呪具はたくさん出来ている……だが《游雲》、《釈魂刀》、《万里の鎖》……特級呪具はまだ1つも作れていない……必ず作り出すんだ……術式を強制解除させる、《天逆鉾》を……」